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「それなのに……あんなちゃらちゃらした若造にかっ浚われるなんて、思いもよらなかった」
とはいえ、家永も27歳。
そんな「若造」呼ばわりする年の差でもない。が、24歳のくせにベンツを乗り回し、手首の痣から知己をホテルでいいように弄んだことさえも容易く想像できる将之を、思わず「若造」呼ばわりしたのだろう。
「お、俺だって好きで抱かれた訳じゃない!」
思わず、そう知己は言った。
「抱く」という表現があまりに生々しかったのだろうか。
家永の顔が曇った。
「……抱……かれた……?」
そう尋ねるようにいうが早いか、知己のジーパンに手をかけた。
「あ、ばか! やめろ!」
慌てて家永の手を押さえるが、家永の方が早く、しかも上からのしかかっている分自由が利いた。
あっという間にファスナーを下げられた。
そこからは先ほどの長く甘いキスの影響で、やや興奮気味に姿を変えたものが現れた。
「やめろっ、家永……! いやだっ! 見るな……っ!」
焦っている為、知己はうまく家永の手を押さえられない。
逆に家永は嫌になるほど冷静に行動した。
知己がもたもたしている内に、下着ごとジーパンを引き抜いたのだ。
「こんな所まで……」
そこにも散らばる赤い徴。
「どれだけ許しちまったんだよ……」
愕然と呟く家永に
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