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その指で自分が昂っているなど、認めたくなくて、溢れる声を抑えた。
「……っ、ぃ……! ゃ、ぁっ……!」
だが、知己のものは本能に忠実に、いよいよ興奮を孕み形を変えていた。
(冗談じゃない! こんなの……!)
「ふっ、ぅ……、ぁっ……! ぃっ、ぁ……。あぁぁ……!」
容赦なく襲ってくる快楽の波に必死で抗っているものの、知己の声は艶を帯びていた。
そんな知己に煽られてか。
家永はぐるりと知己の中で回転し手の平を上に向けると、これまでよりも速く指を突き立てて、知己を快楽の高みに押し上げようとした。
「くうっ……、ぁ……!」
いやらしい声を出したくなくて、知己は眉間にしわを寄せ、唇を強く噛んだ。
このまま達したくなくて、体をきゅうっと強張らせたが、家永の指がそこに触れるとどうしてもぴくんぴくんと腰が動いた。
「平野……」
家永が、熱に浮かされたような声で知己を呼んだ。
家永は知己の様子を心配したのかもしれない。
それとも逆に、絶頂を我慢する知己に欲情して声をかけてしまったのかもしれない。
いずれにしろ、家永の呼ぶ声は、知己にほんのわずかな勇気を呼び起こした。
ようやく熱い息の下で知己は
「っ……、……友達で、いたい……んだっ……!」
と絞り出した。
ぴたり
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