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「あ……」
家永がそっと覆いかぶさり、切れた唇をぺろりと舐める。
限りなくキスに近いが、そうではない。
まるで動物が傷口を舐めて治すかのような労わる仕草に、知己は目を見開き、戸惑った。
「……」
今まで親友だと思ってた男の気持ちをどう受け止めたらいいのか、さっぱり分からない。
だけど、これだけは分かる。
「お前が大事だ……」
「……うん。俺もお前が大事……」
知己は本心から、そう言った。
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