第3話 親友

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「あ……」  家永がそっと覆いかぶさり、切れた唇をぺろりと舐める。  限りなくキスに近いが、そうではない。  まるで動物が傷口を舐めて治すかのような労わる仕草に、知己は目を見開き、戸惑った。 「……」  今まで親友だと思ってた男の気持ちをどう受け止めたらいいのか、さっぱり分からない。  だけど、これだけは分かる。 「お前が大事だ……」 「……うん。俺もお前が大事……」  知己は本心から、そう言った。
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