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「知己先輩はアンタの事『親友』って言ってたんですけど、親友ってこんな事する仲をいうんだ?」
と将之は言った。
(こいつは……!)
知己は睨み返した。
(一昨日からさんざん俺を弄んで、おそらく家永の百倍は酷いことしたくせに、何を言ってんだ?)
「家永は親友だ。将之みたいな、けだものとは違う」
何も答えない家永の代わりに、知己が言った。
そんな知己の態度に、心穏やかになれない将之だったが
「言ってくれますね。可愛い後輩に向かって」
出てくる言葉には、そうと感じさせない。
(どこが「可愛い後輩」だと?)
自分よりでかい男を人は「可愛い」とは称しないだろう。
ましてや自分を犯した男を「可愛い」認定できる人間もいるとは到底思えず、知己は会話にならないと感じた。
「それにやってる事は同じみたいですけど……?」
「……ヤってねぇ」
家永が、ぼそりと反論した。
「家永っ!」
知己は先ほどの行為を思い出し、ますます顔を赤くした。
「もういいから、お前ら出てけ」
知己は不機嫌に言った。
「俺もか?!」
家永が問い返す。
「当たり前だろっ?!(お前だって、俺を犯しかけたくせに…!)」
と、知己。
「でも僕が居なかったら先輩、困りませんか?」
将之が、さも心配そうに言う。
「なんで困るんだよ?!」
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