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時間は今3時半を指していた。
僕達は、一緒にカフェに行くことになった。
栄の手は、相変わらず、小泉先輩の肩を抱いている。
僕の視線は、そこに釘付けになった。
小泉先輩と田中さんは、映画の話で盛り上がっている。
カフェに着くと、4人掛けのテーブルに案内された。
僕と田中さん、栄と小泉先輩が、隣同志に座る。
栄は気にならないのかな?僕と田中さんのこと・・・
僕は、ちょっとだけ、どこまで行ってるのか、気になるよ?
でも、小泉先輩の幸せそうな笑顔で、それは十分推測出来た。
もう、寝た・・・んだ・・・
小泉先輩は可愛い。
当たり前の行為だ。
「あれ?類くん、ピアスなんかしてたっけ。」
田中さんが、僕の右耳のピアスに気付いた。
いつもは、気付かれないように、髪の毛を伸ばして、隠している。
サラッと、流れた瞬間に見つかったようだ。
もちろん、栄と小泉先輩は知ってる。
「あ、はい。右だけ。ちょっとした、魔除けみたいなモンです。」
「へぇ・・・今まで気付かなかった。髪の毛が長いから・・・いいね。それ。俺もやろうかな?」
「あはは。田中さんは、それ以上チャラくならない方が僕の好みです。」
言うと、田中さんは、心外そうに膨れた。
だって、茶髪で指輪なんかのアクセサリーガンガンで、今日は清潔そうな白シャツだけど、バイトの時の制服を着ると、途端にチャラくなる。
明るく染めた髪のせいかな・・・
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