僕の事情

10/35
前へ
/69ページ
次へ
「瞬、トイレの掃除もお願い出来る?」 「おう。」 田中さんは、「早くこの隙に。」と言って、僕をカフェから出した。 瞬さんには、知られずに済んだ。 でも・・・ どうだろう?瞬さんには話してしまうかもな・・・田中さん。 だって、二人は・・・ 僕は警戒しながら、駅へと歩いた。 もう、さっきの男の気配は無かった。 全く・・・煩わしい・・・めんどくさい・・・ それもこれも、こんな見た目でこんな身体のせい・・・ ああいや、ダメだ、ネガティブになっちゃ。 僕がもっと気をつければ済むことだ。 ズボンだって、生理の時は黒か紺にしなくては。 もっとこまめにトイレに行ければ・・・ 血の塊が出にくくなるんだけど・・・ バイトや授業の時は、どうしようも無かった。 でも、バイト帰りには、絶対にトイレに寄って、ナプキンを交換してから帰るようにしよう。 バイトの帰り道には、気をつけよう。 一人にならないように・・・ 僕は、電車に乗り込みながら、色々と考え込んだ。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

398人が本棚に入れています
本棚に追加