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大学には、1年上の先輩が二人居た。
僕と同じ高校卒業の先輩達。
一人は、小泉瑠果先輩。もう一人は、坂田泉先輩。
いずれも、大学2年生。
僕は、同じ高校卒業というだけで、二人から可愛がられていた。
栄も、同様に二人から可愛がられていた。
昼休みは、一緒に昼食を摂る。
いつもは、学食だった。
今日も、学食に集まる。
「類、もう大学慣れたか?」
小泉先輩が、定食を食べながら、僕に声を掛けてくれる。
「あ、はい、もう全然。余裕です。」
「栄は?」
小泉先輩は、栄のことが好きだ。
既にカミングアウトしている。
それでも、力尽くでどうこうしようなんて気は無いから、仲良くしている。
「俺も、もう慣れました。大学生活、楽しいですよ。」
栄は小泉先輩の気持ちを知っても、態度を変えなかった。
彼女も居ないのに、一体誰のことが好きなのか、僕には分からなかった。
坂田先輩が、僕達の様子を見守る。
大体は、坂田先輩が僕らのまとめ役。
僕と栄は、二人に甘えて居る。
先輩達は、優しいから好きだ。
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