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「栄、お前、一人暮らししてるんだよな?」
小泉先輩が、定食を食べながら、栄を見つめる。
見つめられてる栄は、素っ気無く答える。
「そうですけど、それが何か?」
「今度、遊びに行ってもいいか?」
小泉先輩は、可愛い。見た目が。
女子より白い肌と、低い身長、サラサラの色素の薄い髪の毛をしていた。
見た目的には、僕にどことなく似ている。
僕も、色素の薄い髪の毛をしていた。
「いいですけど、変なことしないでしょうね。」
栄は、こんな可愛い小泉先輩に好かれてて、応えてあげてもいいんじゃないか、と僕は思うんだけど、一向に、進展する様子が無い。
「あ、じゃあ、俺も行く。」
坂田先輩も、定食を食べ終えながら、低い声で言う。
坂田先輩は、小泉先輩と全く逆の容姿をしていて、身体は大きくガッツリとしていて、冷めた瞳がキレイ、と女子から評判だ。
「あ、じゃあ、今度の土曜日にでも、皆で押しかけちゃいましょうよ。」
僕がそう言うと、坂田先輩が、「お前達、バイトはいいのか?」と聞いてくる。
「大丈夫ですよ。バイトは、土日入れて無いし、大学も休みだし、夜までガッツリ居られますよ。」
僕の提案は了承された。
あ、でも、僕は、気をつけなければ。
栄は知っているからいいけど、先輩達には、知られないようにしないといけない。
泊まりになったとしても、僕だけは、泊まらないで帰ろう。
僕は、心に決めた。
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