僕の事情

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暗い夜道で、僕は栄を見つめた。 「本気・・・なの?」 声が震える。 生まれてからずっと一緒。 ずっと一緒に過ごしてきた幼馴染みだ。 いつから僕のこと・・・そんな風に見て居たの? 「本気だよ。物心ついた時から、お前のこと、お嫁さんにしようと思ってた。」 「お、お嫁さん?!」 淡々と話す栄に、僕は吃驚する。 物心ついた時からって・・・随分と前じゃ無いの・・・? 「全然・・・気付かなかった・・・・」 「隠してたからな。」 「ご・・・ごめんね・・・」 苦しい想いをさせて。 僕が女の子と付き合っても、栄が誰とも付き合わなかったのは、僕のせいだったの。 「だ、誰にも興味が無いのかと思ってた・・・」 「俺には、お前だけ居ればよかった。」 栄のことは、好きだ。 でも、それは、先輩達に向ける好きと同じ、好き、だ。 「ごめん・・・僕、栄のこと、そういう風に考えられない・・・」 僕の震える声に、栄はただ頷いた。
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