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「分かってる。そう言われると思ってた。でもさっき、田中さんとお前の様子見てたら・・・言わなきゃ伝わらないって思ってつい・・・今まで押し隠してきたのにな・・・ごめんな。今まで通りの付き合いで構わないから、これからも俺と居てくれる?」
栄は、気まずそうに僕の顔を見る。
「う、うん。もちろん。栄は僕の大事な幼馴染みだから。」
僕は右手を出した。
その手を、栄が握ってくる。
これからも、親友で、幼馴染みだ。
栄の気持ちに応えられないのは申し訳無いけど・・・
僕はやっぱり、男、なのだろうか?
男の人とどうこうなろうなどと、思えなかった。
だからといって、誰かと付き合うとか、そういうことも、今は考えられなかった。
この生理が付きまとう身体のせいで・・・
今のところ、両親以外で僕の身体のことを知っているのは、栄と、田中さんと主治医の圭吾先生だけだった。
僕は、それを死守しなければ、と用心をした。
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