僕の事情

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土曜日になった。 先輩達と、栄の独り暮らしの部屋に行く予定になって居た。 僕も、まだ入ったことが無い。 独り暮らしか・・・いいな・・・ 自由気ままな独り暮らしに、僕も憧れていた。 でも・・・栄に告白されたんだっけ・・・ 栄・・・気にしているだろうか・・・ 僕は距離を置いた方がいいんだろうか? だけど今日は先輩達との約束だったから、手土産にお菓子を買って(お酒の方がよかったかな?と思いつつ)、指定されたアパートに着いた。 今まで僕が行きたいって言うのを頑なに拒んでいたのは何故だろう? 今回、許してくれたのは、先輩達と一緒のおかげかな。 呼び鈴を押すと、栄が、笑顔で出て来た。 「よう、類。」 「ああ、お邪魔します。これ、お菓子だけど・・・」 「おお、ありがとうな。入って。」 まだ、先輩達は来ていなかった。 玄関を上がり、ベッド脇に腰を下ろす。 栄の部屋は1DKで、ベッドだけが大きな家具で、その部屋は、殺風景だった。 栄らしい・・・僕はそう思った。 「先輩達は、まだ?」 僕が聞くと、栄がピクッと身じろいだ。 「それがさ、先輩達、来れなくなったんだって。大学の用事らしい。」 「え・・・・・?」 じゃあ、栄とこの部屋で、二人きり? 僕は、今、生理中だった。 無理して来たのに・・・ 生理の時は、出来るだけ、外に出たく無くなる。 「あ、でも、俺、なんにもしないし。今日は、二人で楽しく酒でも飲もうぜ。」 気遣う栄に、僕は「うん・・・」と言うしか無かった。
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