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栄が虚を突かれて力を失う。
僕は、すぐさま栄を蹴っ飛ばし、身体を離すと、服の乱れを整え、ドアを開けた。
「よお、類。栄も・・・って。何かあった?」
ひっくり返った栄を見て、小泉先輩が声を掛けてくれた。
僕は荷物を手に取り、その横を無言ですり抜け、夢中で走り続けた。
「あ、類!!」
先輩達の呼ぶ声が聞こえたけど、僕は振り返らなかった。
もう・・・もう栄なんて、知らない。
僕の涙は溢れ続けた。
やだって言っても、やめてくれなかった。
あんなの、レイプと同じじゃないか。
いくら酔っていたって・・・いくら好きだって言われたって・・・
あんな栄、大っ嫌いだ。
もう、顔も見たくない。
絶交だ。
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