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「ならいいんだけど・・・あ、俺、生。泉は?」
「俺も生で・・・・・」
坂田先輩に、いぶかしげに見つめられたけど、僕は「じゃあ。」と言ってカウンターの奥に引っ込んだ。
栄は、しばらく足止めを食った。
厨房の瞬さんが、心配気に僕を見る。
「瞬さん、手伝います。」
「ホールに出るのが辛いのか?」
瞬さんが、僕の顔を見つめる。
「酷い顔してるぞ。大丈夫か?」
皆、優しい・・・田中さんも、瞬さんも・・・
「いえあの、大丈夫です。厨房の仕事も少しずつ覚えたいな、って思って。」
僕は苦し紛れの言い訳を言った。
瞬さんは、飲み物のオーダーを、僕に作らせてくれた。
一からちゃんと教えてくれる。
今は、ホールには出たく無い・・・先輩には申し訳無いけど・・・
栄と顔を合わせるのが嫌だ。
変な詮索も、されたくない。
僕が作った飲み物を、田中さんが、運んでくれる。
田中さんも、僕のことを心配気に見つめていた。
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