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僕は右耳にピアスをしていた。
右耳は、守られるっていう意味らしい。
僕に似合ってると、栄は言う。
そして、たまに僕のピアスに触れる。
くすぐったい。
僕が、両性具有だと分かったのは、初潮を迎えたからだった。
それまで、僕は自分自身、男であると、思って居た。
でも、生理が始まった。
僕には、両方の性器がある。
だから、男にも女にもなれる。
こんな僕は、どうやって生きていったらいいんだろう?
男なのに、非力で女性っぽくてそういう輩にも狙われたことは何回もある。
だから、僕を守って欲しい。
そんな意味から、右耳にピアスを付けている。
栄とは、同じ大学に通っている。
僕が選んだ大学に、一緒に通うと言って聞かなかった。
もう・・・
自由になってもいいんだよ?
僕を守ってくれるのは、栄じゃなくても、別にいい。
僕のことを不気味に思ったりしないような、優しい相手が現れるといい。
僕は、その存在を待っていた。
今まで付き合った女の子は居たけど、僕を守ってくれるような子は、居なかった。
そもそも、男で守られたいって、おかしいのかな?
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