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昼休みになった。
僕はいつもの通り、栄と一緒に先輩達が居る屋上へ上った。
もう、いつもの栄に戻って居る。
ちょっと不器用で、クールで男前。
告られることも度々あったのに、女の子と付き合ったことが無い。
それは、この僕のせいだったのか・・・
僕のことが好きだから・・・
でも、もうそんな気持ちも捨てただろう。
僕には、栄と付き合うなんてこと、考えられなかったから・・・
屋上に着くと、もう先輩達がベンチに座って僕達を待っていた。
「すみません!遅くなって・・・」
僕が言うと、先輩達が、笑っておいでおいでをする。
僕と栄は、そこに向けて走った。
僕達は、揃って、お弁当だのパンだのを食べ始めた。
今日あったことなんかを、愚痴ったり面白おかしく話した。
「それはそうと・・・さ、栄。」
小泉先輩が、ほっぺたを赤くして、何かを言いたげにしている。
それでも、なんとなくもじもじした感じで、声を詰まらせている。
なんだろう?
坂田先輩は、その様子を見守っている。
「俺、まだお前のことが好き。だから、俺と付き合って。」
目を瞑った小泉先輩は、赤い顔をして、とても可愛かった。
こりゃ、男も女もメロメロになるに決まってる。
でも栄は受け入れないだろう。
だって、僕のことが好きなんだから・・・
「分かりました。俺でよかったら・・・お願いします。」
思わぬ声が栄から上がった。
僕と坂田先輩は、顔を見合わせて吃驚した。
小泉先輩は、「やった!!」と言ってガッツポーズをしていた。
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