僕の事情

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中学の頃、僕の生理は始まった。 親は、僕の身体の異変を知ると、秘密を約束してくれた、内科医の小野圭吾先生に僕の身体のことを相談した。 圭吾先生は、僕の叔父さんに当たる。 圭吾先生は、優しくて親切で、腕の立つ内科医だった。 それからずっと、僕の身体の相談を聞いて貰っている。 両親は、両性具有というものの存在は知っていたが、まさか自分の息子がとは、思わなかっただろう。 驚いて、そして、僕を守ることに必死になった。 秘密を守ることに・・・ 中学の体育の授業の時・・・ 僕は生理中だった。 それも結構重い・・・ でも、体育を休む分けには行かない。 具合が悪そうな僕を心配して、栄が声を掛けてくれる。 「大丈夫か?類。顔色が、真っ青だぞ。」 僕は大量に出血した。 女性器から・・・ 栄にそれを見られた。 血液は、体操着を濡らした。 血が滲む下半身を見て、栄は 僕を吃驚した目で見つめた。 「お願い・・・黙ってて・・・」 僕は懇願した。 栄は、僕を守り、先生に告げてくれた。 「先生、小野の体調が悪そうなので、保健室に連れて行きます。」 栄は、僕を連れて、体育館から出た。 肩を抱えてくれてる。 僕は、栄にだけは、本当のことを話した。 とりあえず、トイレに行って、ナプキンを替えた。 下着は、ゴシゴシとトイレットペーパーで拭いた。 体育着から、制服に着替える。 「お前・・・なんで・・・」 栄は、青い顔をして、僕を眺めた。
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