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土曜日になった。
僕は、少しだけ、ドキドキしている。
僕の家から3つほど電車に乗って、駅前で待ち合わせをした。
僕は、ちょっと、心配だった。
今日は、生理の2日目で、一番多い日で、お腹も痛かったから・・・
でも、田中さんには知られているから、何度もトイレに寄らせて貰おう。
僕が駅前に着くと、もう田中さんが待っていた。
少し早めに来たのに・・・
「田中さん!お待たせしました。早いですね。」
「ああ、そんな待ってない、今来たとこ。」
って、言うよねー。
待ってても、待ってないって。
そういう優しさを持った人だ。
田中さんの格好は、白いカッターシャツに、デニムのジーンズだった。
なんだか、シンプルで田中さんに似合ってて、格好良かった。
僕はBEAMSのTシャツに、黒のジーンズだった。
映画館までは、駅から近く、二人で並んで歩いた。
一応、僕は、田中さんに言っておこうと思った。
「あ、あの、た、田中さん、今日、僕、生理なんで・・・その・・・トイレとか頻繁に行ってしまうかもしれません。すみません。」
田中さんは、惚けた顔をして僕を見つめる。
あれ?僕、間違ったことを言った?
「あ・・・ああ。そうなんだ。了解。俺も気をつける。マメにトイレ、行こう。」
僕は頬を赤くした。
田中さんの顔が赤くなってしまったから。
僕達は、赤い顔のまま、映画館に向かって歩いた。
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