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田中さんは、僕を離して謝った。
「あ、ご、ごめん。俺・・・その・・・」
また顔を赤くして照れている。
この人、すぐ顔に出るんだな。
そういう、正直なところも、僕の好みだ。
僕はその顔を見つめながら、顔を近づけボソッと言った。
「僕、このままホテルでも、いいですよ?クス・・・」
なんとなく、試してみたかった。
本当に田中さんのことが好きなのかどうかを。
僕が言うのに、田中さんは、顔を真っ赤にして、僕を見つめた。
「えっ・・・あ、あの・・・その・・・ほ、本気?」
僕は、周りを見渡しながら、そっと、田中さんの頬にひっそりとキスをした。
尚更顔を赤くしてくる田中さん。
「類くん・・・き、君って、小悪魔キャラだったの?・・・」
僕はプッと、吹き出した。
「なんですか?それ・・・フフッ・・・」
僕は自分でも驚くくらい、冷静にそしてはしゃぐ気持ちを閉じ込めた。
僕は、小悪魔キャラなんかじゃない。
ごく普通の、ゲイでもなんでもない、普通の大学一年生だ。
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