1人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっみほ、またプレゼントじゃん」
下駄箱を開けたみほを、一緒に下校するクラスメイトが茶化す。
下駄箱に何か入っていたのは、これで何度目か。みほは成績優秀で、顔立ちの整った女子高生である。言うまでもなく男子から人気があり、先週はラブレター、先々週は手作りクッキー、何人ものプレゼントアピールは正直迷惑していた。
「相変わらずモテるね?!今日の中身はなに?」
そっとリボンの結ばれた小箱を取り出す。
「時計…かな?」
僅かだが小さくカチコチと刻む音が聞こえた。
「うわっまた高そうな物」
「困っちゃうね」
仰々しく驚く友人に仕方なく笑っていた時。
「爆弾だよ」
背後を誰かが走り去りながら呟いていった。
「は?何…あー誰だっけ、あの子」
「丸山さんでしょ!同じクラスなんだから覚えてあげなよ」
クラスでいつも一人でいる暗い女生徒を、笑って一蹴する。走って遠くに行く姿は、もう見えなくなるところだった。
「では、今入りましたニュースです。先ほど
××高校で爆発が起き、死傷者が多数出ている模様です。なお詳しい状況は…」
最初のコメントを投稿しよう!