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犬は柴崎を追いかけるどころか、俺の周りでワンワンと吠え続ける。
「クゥン…クゥン…」
柴犬は俺の足元をクルクルとせわしなく回るとセーターの袖をグイグイと引っ張る。
「どうし…」
柴犬の表情はまるで俺に
『お願い!ボクに着いて来て!』
と言わんばかりの表情だった。
俺はしゃがみ込むと柴犬の頭を撫でる。
「なぁ。お前、どこか来て欲しい場所があるのか?」
そう言うと柴犬はワンワンと吠えるとどこかへ行こうとする。
「あ!おい!」
俺は夢中で柴犬を追いかけた。
柴犬は途中、俺に後を着いて来させるかのように振り返りつつ、道を案内する。
路地を抜けると道路があり、その道路の右側を真っ直ぐに突き進むと小さな公園が見えてきた。
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