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よくカウンターの居心地に酔っている。最初から握りをつまんで「光りもの」「貝」を一巡食べ尽くす。生ビールが丸の内から銀座へ至る散策の疲労的渇きを癒やす。美味いな。美味しいな。マー君も立派になったなぁ。嬉しい・・。そんな気分の総合的な立体的な高揚感がある種の自由を得たのである。人は自由になると語り出すものである。
「どこからきたの?」
「いつまでいるの?」
達は隣の大人しそうな彼氏に話しかけた。別に嫌そうでもなく。顔を達に向けて何か言った。すぐ彼女のほうも話に加わったかに見えたのだが。笑うと凄く愛嬌のある女子である。嫌いではない。
達の蛮勇にいつしかアサミさんも参戦して英語で達の喋った内容を言い換えてみたりしたのだが。通じない。カウンター文化の壁が厚すぎたのかそれとも・・。
何かが我々に足らない?
そう寿司職人の当意即妙なトークがなかったから?
ホールの遣り手女子のおもてなしもなかったからか。
中国女子はキャノンの一眼レフを取り出し寿司を撮影した。達も対抗してIXYを撮り出した。爆買いの片鱗を見せる中国女子。お寿司は美味しいですか?カウンターは楽しいですか?
銀座の夜である。しかも日曜。なのに・
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