■INDIGO

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--*--*-- どうせするなら、とことん楽しみたい。 私以外の女の子とキスしている彼をくすくすと笑いながら眺め、煽る。 「舌も出して。私のこと見ながら」 彼は無表情で、彼女は不安げに、私を見ながら舌先だけのキスをして、私は堪らず口元を隠し嗤った。 なんて楽しい。でも、全然足りない。もっと欲情してくれなきゃ。私だけが楽しい想いしたって面白くないもの。 ルームに入って服を脱がせ合う。こっちの彼は随分慣れているみたい。 誘導、雰囲気の持っていき方、盛り上げ方とか色々。遊び人なんだろうな。 場を崩さないようにしながら、ちょっとした私の息遣いや視線、声色をよく観察してる。 何度も『可愛い』って言われて嬉しくもなった。 昂くんに言われたの、いつだっけ。 ……彼に言ってみちゃおうか。多分、悪いようにはしないはず。 服を脱がせ合って向かい合って座って跨って、耳元でそっと囁く。 「……たまには、他の人としてみたいなって思ってたの」 法律も社会も当然配偶者も、本来それを許さない。だったら、同罪にすればいい。 同じ場所で、同じように、相手を変えてしちゃえばいい。 そんな遊び心、君なら理解した上で、盛り上げてくれそうだから。 「可愛いな」 「ありがと」 「悪い人だ」 「悪い事?」 「嫌いじゃないよ。協力する。どうしたい?」 「彼をもっと、セックスに貪欲にさせたいの」 「貪欲?あれ、アヤさんが今楽しみたいんじゃないの?」 「全てのセックスは夫婦関係に繋がるのよ」 「そういうもん?じゃあさ、お手本見せてあげようよ」 隣で控えめな絡み方をしてる二人を見遣り、クスクス笑い。 時折指先に弄ばれながらふとした思い付きに楽しくなって、くふふ、と漏らした。 「なに?」 「私が彼女を責めちゃうとか?」 「いいと思う。それ、俺も見たい」 試行錯誤、重ねてやらなきゃ、初めて出逢ったこの彼女を感じさせられないよ。 格好つけた所でもう裸なんだから、王様気取っても無意味でしょ? --*--*--
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