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蒼華は真桜を揺さぶる。ぎし、ぎし、と寝台の鳴る音が部屋に鳴り響く。充溢が真桜を犯すたびに蜜が溢れ、淫らな音が強くなった。真桜は声を押し殺す。蒼桜が起きてしまう。大丈夫だ。蒼桜は寝てる。そんなことを言われても、声を出すことはできない。春海に口を塞がれるのとはちがい、我が子のために我慢するのは幸せだった。真桜は、蒼華を見上げて瞳を潤ませた。
「ん、う、蒼華」
「どうした?」
「蒼華の、子が、ほしい」
馬鹿なことを言っている。子供などできないのに。蒼華はベータだから。真桜の番いではないから。だけど彼は優しいから、真桜の願望を馬鹿にはしない。蒼華が真桜の指を搦めとり、きゅっと握りしめる。
「じゃあ、できるよう、奥にたくさんかけような」
「かけて、ん」
真桜に後ろを向け、背後から彼らしからぬ乱暴さで突き上げてくる。大きな手のひらが蜜口を押し広げ、ずん、ずん、と突いてくる。真桜は枕を噛んで声をこらえた。彼の雄に揺さぶられるたびに、足先が寝具から浮く。
「ん、っ……ひっ、あ……」
最奥を突き上げられた瞬間、また熱いものが流れ込んできた。
蒼華が寝息を立てている。真桜は、彼の不精髭をそっと撫でた。
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