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乱桜
寝台がかすかに揺れている。黒真桜は、必死に自身の袖を噛んでいた。身体が熱くて仕方がない。けれど身動きもとれず、声も出せない。後ろから突き上げてくる男は、愛の言葉はおろか、一切何も話さない。真桜が声を出すことも許さない。それでも繋がった部分は快感の坩堝と化していた。太い充溢が内壁を抉る。
「っ」
一瞬、声が漏れてしまい、真桜はさっと青くなる。のしかかっていた男が舌打ちした。
「声出すなっつってんだろ」
「すまない、春海、あ」
春海が強く髪を掴んだ。ぎゅっと引っ張られ、激痛に呻く。
「俺がいくまで、いくんじゃねーぞ」
「う……っ、あ、あ、あ、っ……」
春海は真桜の尻を掴んで激しく抽送した。繋がった部分が泡立つほどの、叩きつけるような交わりは、数回で終わった。春海の濃く、熱い欲望が胎内を満たす。
まだ達していない真桜は、体内に残された熱さに震える。春海は数回腰を振ったあと、自身を引き抜く。その拍子に吐き出された欲望が、寝具の上に流れ落ちた。
「ほら、綺麗にしろ」
春海は精にまみれたものを指差し、蔑むような目で真桜を見た。真桜は、だるい体をおこし、彼のものをくわえる。濡れた口の中に、苦い味が広がった。
髪を強くつかまれ、頭皮に痛みが走る。すぐに硬さをとりもどした、大きな陰茎が口の奥まで入り込んでくる。
「ちゃんとしゃぶれよ」
真桜は自身を滾らせたまま、春海のものを舐めしゃぶる。春海は凶悪なもので真桜の口内を犯した。やがて精を吐き出す。えづきかけた真桜の顎を、春海が掴んだ。
「なに出してんだ。飲めよ」
真桜は苦しさに耐えながら、精をのみくだす。解放されて咳き込んでいたら、春海の笑い声が降ってきた。
「なんだよおまえ、勃ってんのか」
春海が、真桜のものを足先で捏ねた。
「ん、う」
まるで奴隷のようだ。真桜はそう思った。黒家の産み腹──オメガである真桜は、影でそう呼ばれていた。春海は、真桜の蕾に足先を触れさせる。
「っ、あ、いや、だ」
足の指が中に入ってくる。足の指で熟れた内壁を抉られ、真桜は内股を震わせた。
「あ、あ、っ、ひ、ああ、あ」
真桜は、吐精しながら声をあげた。
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