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 僕は長く仮面を被り続けてきた。誰も僕の事を疑わなかった。しかし、それは一人だけでは抱えきれない荷物だった。荷物を持ってくれる存在があったから、僕はこの三年を乗り越える事が出来た。  そう考えて、自分の戦いは終わりのないものなんだと思った。  この三年は乗り越えられた。でも、次の三年は。それから先は。  考え出すと不安なんて止まらない。自分はどうなっていくのか。 「なんかあったらいつでも頼れよ」 「ん?」 「俺は、変わらねえから」  感謝すべき言葉だ。昔、雅人のこの言葉に救われた。救われ続けた。  でもその言葉が今、何より痛い。 「……ごめん」  そう思うと自然に言葉が零れた。 「何謝ってんだよ、急に」  だって、僕はその言葉を今から裏切るから。  仮面は一枚で済むはずだった。なのにいつしか、もう一枚仮面が必要になった。  雅人の為だけの仮面が。 「ごめん」  自分が今から言う事は、雅人と僕とのルールを犯すものだ。彼を裏切る言葉だ。  それでも、もうこの気持ちに我慢は出来なかった。 「私、雅人が好きだ」  この三年、被り続けてきた仮面。  外した先に、雅人はまだいてくれるだろうか。 *     
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