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肩を叩かれた。
「まだこんな所にいたのか」
えっ!?と振り替えると彼が居た。
「眠ってたよ、風邪ひくぞ」
「あれ……眠ってた?今何時?」
「もう三時」
いつの間にか三時間も経っていた。
ぼんやりしながら伸びをするとカップから湯気が昇っているのが見えた。
ん?湯気?珈琲?
そうだ、珈琲を入れたんだった。
でももう冷めている筈なのに。
カップを手に取ると鼻が優しい自然の香りで満たされる。
透明なイエロー。
「ハーブティー入れた。カモミール。」
と彼。
「ああ……。珈琲は?」
「冷めてたし粉浮いててなんか不味そうだったから捨てたよ。ごめん、勝手に」
捨てた……。
「捨てたんだ。うん、そっか、いや、全然大丈夫」
私は変な日本語になりながらへらへらしてカモミールティーを口に含んだ。
へらへらが、心からの笑顔に変わった。
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