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「こんな時間から珈琲かい?」
袋からドリップパックを取り出した私を見て、彼が心配そうに問う。
「いいの。もう寝るのは諦めたから。本でも読んで夜明かしするわ」
苛々した口調になっているのが自分でもわかる。
彼は関係無い。
関係無いから巻き込みたくない。
「ソファーに居るね、お休み」
休まないのにそう言うと、彼は何か言いたげな顔をしたが、お休みとだけ言って寝室に入って行った。
電気ポットで湯が沸く間にカップとミルクと砂糖を取り出す。
ポコポコ……シューッ……
ポットの嘴からため息が噴き出した。
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