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カップに乗ったドリップパックにお湯を入れると、
乱暴過ぎて少しあふれた。
「あー……何やってんだろ」
カップの中にはこぼれた珈琲の粉。
…………。
溶けずに浮いたそれがとても腹立たしそうに見えてしまったので少し笑ってしまった。
ドリップだからな、仕方ない。
掬うこともどうでも良くなり、キッチンからソファーに移動。
砂糖を入れてくるくるかき混ぜると、素早くミルクの丸い小パックの中身を落とした。
ミルクの白が、珈琲の茶色の渦に吸い込まれて回っていく。
その間に垣間見える苦そうな……焦げ茶色の粒がもがいては浮かび、浮かんでは消え……。
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