オペレーション「ONIGRI」

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オペレーション「ONIGRI」

「これより、オペレーション「ONIGRI」の作戦概要を説明します!」 厳戒態勢が敷かれた荒野の砂漠。 壇上に立ったナターシャが集められた衆人を前に決然と言った。 「まず衝突まで残り数時間と迫っている超大型隕石の名称を変更するわ。これまでの「クライシス」から「おにぎり」なります。これは決定事項よ!」 一瞬の沈黙の後、ざわめきが始まった。 作戦参謀官様は何を言い出したと一応に困惑の表情を浮かべている。 ナターシャはそのざわめきが収まるのを待つ事なく、言葉を続ける。 「フェーズ1! ご存知の通りクライシ--もとい、"おにぎり"の内部には堅固な金属鉱が密集しています。まずそれをこちらにいる彼女の超能力で入れ替えます」 「いやー、どもども。超能力者です」 何の緊張感もなく手を振るのは、もちろん菜穂子。 彼女は衆人の背後に居並ぶ大型トレーラーの車列にハンドサインを送る。 コンテナの扉が開かれ、傾く角度に比例して中から赤い物体が大量に溢れ出た。 辺り一面に漂うのは、酸味の効いた強烈な香り。 瞬く間に梅干しの山があちらこちらにできる。 菜穂子は刺激臭に鼻をつまみつつ、問う。     
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