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世界が求める超能力者とは、テレキネシスで隕石の軌道をズラしたり、未来予知で光明を見出せるようなそんな超能力者だ。
間違っても「梅干しおにぎりと中身を入れ替える能力者」であったり、「梅干しの酸味を強くする能力者」ではない。断固こいつらではない。
「そもそもが私は反対だったのよね」
「何がよ?」
「無差別に超能力者を集める事よ」
いくら非常事態だからといって、数を重視すればその分質が下がるのは自明の理。
こんなやつらはさっさと叩き出すべきなのだ……本来は。
とはいえ魔術というものが、科学の常識では計れないものであるのも事実なわけで、彼らのアホみたいな超能力が何らかのきっかけで変質して、世界を救う術にならないとも言い切れない。
そんなこんなで菜穂子と直哉の両名は、日々タダ飯を食らう状態となっている。
「というか、働いてないうんぬんで言えば、ナターシャも一緒でしょ。何にも打開策が打ち出せてないんだし」
「……ずいぶん嫌な事言うのね」
菜穂子に皮肉返しをされて、顔をしかめるナターシャ。
ナターシャ、17歳。階級は少佐。
飛び級に飛び級を重ねた才女であり、現在はこの未曽有の危機に対するための地球連合で作戦参謀官の任に就いている。
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