永田学園

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「七海、いこう」 「うん、お母さん、行ってきます」 「七海、頑張ってね」 「莉奈、気をつけるのよ」 「大丈夫。 私を信じて待っていてね」 私の両親と七海のお母さんが見送ってくれる中、七海と一緒に永田学園行きのバスに乗り込んだ。 今日は全寮制の高校・永田学園の入学式だ。 私と七海は生まれた時から、ある組織の中で育ってきた。 高校までは一般の人と触れ合うこともなく、組織の子供との繋がりしかなかった。 永田学園は組織が経営している私立の高校だけど、一般の生徒も入学する。 初めて組織の子以外の人と触れ合える事に、心がワクワクしている。 「良かった。寮は莉奈と同じ部屋だよ。 知らない人と一緒だったらどうしょうって心配してたの」
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