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ドールは、今も深夜になると寮を出て行く。
もう二度と地下室に閉じ込められたくないので、あれからドールの後をつけた事はない。
時計も夜寝るときは外すから、深夜だけは誰にも見張られていない自由な時間となる。
「海斗、無事に帰ってくるよね?」
深夜、七海は不安からか私のベットに潜り込んできた。
「きっと大丈夫だから。 海斗を信じよう」
「私の時のように、ドールに殴られたりするのかな。ペナルティ……海斗死んじゃわないかな」
七海は私が大丈夫と言っても何度も同じ言葉を繰り返した。
七海がやっと眠ったのは3時を過ぎていた。
海斗は今頃どんなペナルティを受けているのだろう、考えると胸が痛くなる。
それに、昨日の食堂の雰囲気を考えたら、今日もクラスの雰囲気はギスギスしているに違いない。
学校に行くのが怖い。 だけど、啓介も七海もいるから休めない。
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