未来へ

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もちろん私の両親も永田学園にやって来た。 霊能者が先生そして生徒と親に挨拶をした後、校長先生の案内でペナルティルームに向かっている。 「お母さん、地下室は悪霊ばかりじゃないよ。 私達が閉じ込められた時、山口隼人と諏訪梨沙の娘ですって言ったら、守ってくれる霊達もいたの。 だから、悪霊に殺されずにすんだの」 「そうだったのね。 青葉学園には、私達を助ける為に死んでいった仲間が沢山いたの。 きっと、その人達が莉奈を守ってくれたのね。 霊になってまで……」 母は声を詰まらせた。 母は父に目配せをすると、2人は地下室に向かって手を合わせ祈り始めた。 私も父と母と同じ様に手を合わせ、私達を助けてくれた霊が成仏出来るように祈った。 除霊が終わると、霊能者が校庭で見守っている人々の前に立ち、 「全ての霊を成仏させました」 と告げた。 すると、そこにいた全ての人達が地下室に向かって手を合わせた。 成仏した霊達が、次にこの世界に生まれてくる時は今度こそ幸せになって欲しいと思う。
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