始章、奇跡と平凡

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(おも)(かえ)せば、(ちい)さな(ころ)は、 「わたしは、この特別(とくべつ)だらけの世界(せかい)(なか)でも、最上(さいじょう)(きゅう)特別(とくべつ)存在(そんざい)で、(ほか)()たちとは全然(ぜんぜん)(ちが)うんだわ!」 なんて、()条件(じょうけん)(かた)(しん)じる(こと)出来(でき)時代(じだい)もあったのですが、いつの(ころ)からか、だんだんと自分(じぶん)が 『普通(ふつう)では()い』 って()う、自信(じしん)って()うか? 自負(じふ)って()うか? そう()った感覚(かんかく)一切(いっさい)合切(がっさい)()くなってしまった(わけ)で… それどころか、(いま)では、 「ひょっとするとわたしは、この()次元(じげん)宇宙(うちゅう)特異(とくい)(てん)突破(とっぱ)して以後(いご)(ひゃく)(すう)十億(じゅうおく)(ねん)かけて(はじ)めて()()された 『(ちょう)平凡(へいぼん)存在(そんざい)』 なのかもしれない…」 なんて、おバカな(こと)を、真剣(しんけん)(かんが)えたりなんかしちゃったりもして… そんな(こと)ばかりに神経(しんけい)()()らして、なんだかあまりの(むな)しさにいつも鬱々(うつうつ)としているわたしは、毎朝(まいあさ)ベットで目覚(めざ)めてから多少(たしょう)ナンセンスなデザインをした苦悩(くのう)迷宮(めいきゅう)(あて)()くさ(まよ)いつつ、終日(しゅうじつ)(かる)(うつ)状態(じょうたい)にあっては、授業(じゅぎょう)半分(はんぶん)以上(いじょう)(みみ)左右(さゆう)()(なが)して、ただ(いえ)(かえ)って()るだけの、まぁ、結局(けっきょく)は、(ちょう)平凡(へいぼん)()(かえ)しの毎日(まいにち)(おく)っていると()うわけなのです。 あぁ~もう! (だれ)か、この(むな)しくループする毎日(まいにち)からわたしを(すく)()せるものなら(すく)()してくれないかなぁ…  いやほんとに、(だれ)でも()いんだけどなぁ…  まぁ、出来(でき)れば格好(かっこう)()い、素敵(すてき)男子(だんし)()いかもだけど…
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