始章、奇跡と平凡

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(すこ)元気(げんき)()()ぎるけれど、葉子(ようこ)はわたしにとっては(まぎ)れも()親友(しんゆう)で、(はじ)めて出会(であ)った中学(ちゅうがく)一年生(いちねんせい)(はる)から(はじ)まったこの地球(ちきゅう)マントル()みにぶ(あつ)(ねつ)()びた友情(ゆうじょう)は、日々(ひび)対流(たいりゅう)しながら高校(こうこう)(せい)となった(いま)()わる(こと)なく(つづ)いているのでした。 本当(ほんとう)に、ありがたい(こと)です。 「ほら、(はる)ちゃん。 もっとしっかり(ある)いて。 (だい)丈夫(じょうぶ)だよ。 (はる)ちゃんにはあたしがついてるからね」 「うん、ありがとう、葉子(ようこ)…」 「どう(いた)しましてだよ。 (はる)ちゃん!」 (ちな)みに 『(はる)ちゃん』 とは、わたしの(こと)です。 こんな凡庸(ぼんよう)(きわ)まるわたしの名前(なまえ)なんて、今更(いまさら)どうでもいいかもですが、とりあえず 野山(のやま) 春子(はるこ) と()うのがわたしの名前(なまえ)で、(なか)()友達(ともだち)からは 『(はる)ちゃん』 とか 『はる』 とか()ばれるのが幼稚(ようち)(えん)以来(いらい)のわたしのデフォルトになっています。
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