第5章

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 あまり激しくは愛してやれない。私のモノを挿入するなど言語道断。・・・優しくしてやれん。  ついでにもう一つ首筋に赤い痕を残してから、沙也加の愛しい身体を撫でつつ目的地へと向かう。ゆったりとしたネグリジェは可愛いが、嵩張って邪魔でもある。つるりと冷たい生地を上へと押しやって、恥ずかしそうに閉じられた太ももを露にする。白いそこに手の平を当てると少し冷たい。温めるように片手で撫でながら、もう片方で拒む膝を引き剥がす。ほとんど力の入っていない両膝は、いとも容易く離れてそこを委ねてくれた。  ショーツをずらしてやれば、じっとりといやらしく濡れたそこがきゅうっと締まった。ズンと股間にくる光景に瞳を閉じて、息を吐く。これまで何か月も耐えてきた。あとひと月ほどの我慢、その先にある至高の喜びを考えれば今の欲望など星屑に過ぎん。 「う、・・・あっぁ」  喜びの悦声を頭上に聞きながら、赤く濡れたそこを親指の腹で優しく撫でる。ぬめりを纏ったそこはクリクリと逃げるように揺れて可愛らしい。普段ならばすっぽりと私を包み込むそこは、飲み込むものを求めて収縮を繰り返している。 「あまり感じるな。___子に触る」 「そっな、無理です」  強い快楽は子宮の収縮を促すため、沙也加と子を考えればここで止めることが最善ではある。ただそれは建て前であって、沙也加がくすぶる熱を持て余しているのは一目瞭然。 「どうして欲しい?」 「えっ?」 「苦しいか?」 「___苦しいです」 「止めるか?」  改めて沙也加を見下ろしながら、短くなった髪を撫でる。梳くように触れた髪はさらりと、指の隙間から零れ落ちてしまう。以前ならば不安で憤る気持ちになっていただろうが、そんなもの疾うの昔に忘れてしまった。  沙也加からの返事はない。しかし強く握られた手首から、沙也加の欲情を受け取った。 「力抜いていろ」
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