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警備員さんが見回りにきたのです。アリカちゃんたちもメリーゴーランドの下でじっと身を潜めました。
「何か物音がした気がしたんだがな。」
警備員さんはつぶやきながら、懐中電灯で辺りを照らしながら見回ります。二人は見つからないことを祈りながら隠れていました。もし見つかったら、おもちゃ売り場に戻されてしまいます。
「・・・異常なし。さて、今度は食品売場まで降りるか。」
祈ったおかげか、警備員さんはアリカちゃんたちに気付かず引き返して行きました。
アリカちゃんがほっとしたのもつかの間、あることに気づいて慌てました。
「はるたろう来て。」
アリカちゃんは小声ではるたろうに言うと警備員さんにそっと駆け寄ります。
「どうしたの。」
はるたろうはアリカちゃんを追い掛けながら聞きました。
「あの警備員さん食品売場に行くんだって。食品売場ならケーキもあるんじゃないかしら。」
アリカちゃんたちは全速力で警備員さんを追い掛けます。警備員さんはゆっくり歩いていますが、アリカちゃんたちよりもずっと一歩が大きいので、なかなか追いつきません。
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