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警備員さんがエレベーターを待っている間になんとか二人は追い付きました。
アリカちゃんたちは警備員さんのズボンの裾にそっとしがみつきました。警備員さんは何も気付かずにエレベーターに乗りました。警備員さんが歩くたびにアリカちゃんたちは振り落とされそうになりますが必死でズボンをつかみます。
警備員さんがボタンを押すとエレベーターの扉が閉まり、どんどん下へと降りていきます。エレベーターが止まり、警備員さんが外に出ると甘い匂いが鼻をくすぐりました。
「ケーキの匂いだ。」
はるたろうは匂いを嗅ぐと嬉しそうに言いました。
このフロアにはショーケースがいくつも並んでいてその中にはたくさんのケーキやクッキーなどのお菓子がありました。
アリカちゃんたちはズボンから降りると警備員さんに見つからないように気をつけながらショーケースに近付きます。そして、警備員さんの姿が見えなくなるとそっとショーケースの中に入りました。
中に入るとより一層ケーキの甘い匂いがします。アリカちゃんたちはそこで夢中になってケーキを食べました。ケーキはとても美味しくいくらでも食べられるとアリカちゃんは思いました。
しかし、もうすぐ夜明けです。でも、二人はケーキに夢中でそのことに気づきませんでした。
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