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「ほら、はるたろうも早くしないとおいて行っちゃうよ。」
上からアリカちゃんは言いました。
「え、ええ~。」
はるたろうはなかなか、乗るタイミングがつかめなくて戸惑ってしまいました。次から次へとエスカレーターのステップがやってきます。
「ほらー、早くー。」
アリカちゃんの姿はもう見えなくなってしまいましたが、声だけが聞こえます。
一人になってしまいたくなかったのではるたろうは思い切って目をつぶってジャンプしました。
「うわ!」
トンと着地すると床が動いたので、はるたろうはバランスを崩して倒れてしまいました。慌てて、閉じていた目を開いて前足をつきます。はるたろうは上手くステップの真ん中に乗っていました。そしてステップはどんどん上に上っていきます。
はるたろうは上手く乗れたのでほっとしました。次第に次の階が見えてきました。アリカちゃんが待っているのが見えます。
「うまく乗れたじゃない。」
アリカちゃんがはるたろうを見てそう言いました。
「うん。乗れたよ。」
はるたろうは嬉しそうに言いました。
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