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少年は犬のように顔を近づけてコロッケパンを食べ始める。
「・・・・・・ハッ、気持ちわる」
男は冷めた目で少年を見ている。
「○○ー、お湯沸いたよー!」
リビングから、電気ケトルを持った女が和室に
入ってくる。
「うわー、何こいつ犬じゃん、ハハハ!」
「な、ヤバイよな!」
二人は少年を見て笑う。
「そうだ、それ貸してみ」
男は電気ケトルを取る。
夢中でコロッケパンを食べる少年の背中に、お湯を掛ける。
「っっ!?!」
少年はゲージの中で暴れる。
「ハハハ、すげぇなコレ!」
「やばい!やばい!やばすぎだって!」
二人は楽しそうに笑う。
その時、
ーーーーーーピンポーン
チャイムが部屋の中に鳴り響く。
「誰だ、こんな時間に?××、ちょっと出てみ。
もし児童相談所のヤツだったら追い返せよ」
「わかった」
女が玄関へと向かって行った。
「おい、声出したりすんなよ」
「・・・・・・・・・・」
少年は、背中を火傷しながらうなずいた。
◇◆◇◆◇
「まったく、誰なの?」
女はドアの覗き穴から外を見ると、ドアの前に、
『中性的な顔で黒髪で、白シャツとジーパン』
の人が立っていた。
(誰?こいつ・・・・)
女はドアチェーンを掛けてからドアを少しだけ
開ける。
「誰ですか?」
ヤバイさんは、開けられたドアに手を掛けて、
思いっきりドアチェーンを壊しながら無理やり
開ける。
「っ!?」
ドアノブを持っていた女は、その勢いに引っ張られ外に出てくる。
ヤバイさんは出てきた女の服をつかんで、
そのまま廊下から下へと突き落とした。
「っ!?!?」
女はそのまま4階から落ちてアスファルトに叩き
つけられて絶命した。
ヤバイさんは女に目もくれず、部屋の中へと足を
踏み入れた。
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