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ずっとぼんやりと過ごしていたのですが、窓ガラスに当たる雨の音で、ふっと我に返りました。
パタパタと雨粒がしきりに窓をたたくんです。
外は、夜が明け始めるところでした。
私は、公園に行くために用意していたブランケットを抱えて、家を出ました。
傘をさすと、今度は雨が傘に当たって、パタパタと音をたてました。
公園の東屋で、ブランケットにくるまって、私は雨を見ていました。
私を閉じ込めるように、雨はずっと降り続きました。
ただただ、雨の音を聞いて、雨の降る私たちの街を見ていました。
昼過ぎに、私を探しにきた母に家に連れ帰られるまで。
身体が冷え切っていた私は、ベッドに寝かされて、ベッドで雨の音を聞いていました。
雨は、夜遅くまで降り続けました。
それは、3月5日、私の誕生日の出来事です。
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