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それと関係があるのか、プレゼントはいつだって形のないものか、やがてはなくなるものでした。 食べ物だったり、香水だったり、コンサートのチケットだったり。 だから、私の手元には、彼の残した物は何も残っていないんです。 残っているのは、私の頭の中の記憶だけです。 5年前の誕生日に、私は、テーマパークへのデートをプレゼントしてほしいってお願いしました。 しょうちゃんは、あまり気乗りしないようでした。 行列ばっかりで、つまらないって。 それでも、約束してくれました。ただし、晴れたらねって。 そして、雨が降ったら、城址公園に行こうって言いだしたんです。 城址公園は、私たちが通っていた中学校の裏から小高い山にかけて、城跡を整備した公園で、私たちはよく、そこの東屋で過ごすことがありました。 桜の季節はたくさんの人が来るんですが、季節が終わるととても静かな場所なんです。 東屋からは、私たちの街が一望に見渡せて、西側を向いているので、夕日がとてもきれいに見えるんです。 何でもないことをおしゃべりして、夕日をみて、本当に楽しい時間でした。 しょうちゃんは、すっかり雨が降るつもりでいて、まだ寒さが残るからってキャンプ用のストーブまで用意していました。 焼いて食べようってマシュマロを用意したり、ココアを用意したり。 なんだか公園の方が楽しいような気がしてきて、私も厚めのブランケットを準備してしまいました。 でも、晴れたらテーマパークは譲りませんでしたけどね。
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