第一章

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ギイギイと木造の階段を踏む音が此方に近づいてくる。 屋根裏部屋へ向かう階段は一つしかないので、足音の主はこの部屋に向かっている。 泣き止まなくては! 第一印象が大切なのに。 こんなみっともない姿を晒すのは恥ずかしい。 しかし、無情にも足音は部屋の前で止まり、扉がノックされる。 どうしよう、どうしよう。 居留守を使うか? いや、後で居留守が発覚した時のことを考えると… …あぁ、でも! 「転校生さん、いるかしら?」 ソプラノの声に、いよいよミノリは体をすくませる。 「……はい、います。どうぞ」 逡巡の後、弱々しく返事をした。 スポットライトのような天窓の夕陽に照らされて現れたのは、黒髪の美しい少女だった。 グズグズとみすぼらしく泣いている自分と、なんと対称的なことだろうか。 これが、ミオとの出会いだった。
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