第一章

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ミオに案内され、ミノリは男子生徒たちに挨拶をした。それが、アズマとタカユキとの初めましてだった。 二人に紹介されたあと、ミオはアズマの、ミノリはタカユキの横に座った。 「昨日、ここに来たんだって? 夜は冷え込むけど、よく眠れた?」 タカユキの問いに、ミノリは気恥ずかしそうに答えた。 「寒くて何度か起きちゃって……」 明け方に気温が急激に下がり、幾度か意識が覚醒した。 窓は閉めているのに、冷気が身体をなぶり熟睡できなかった。 「暖房をつけっぱなしで寝ると喉が乾燥するから、毛布を足すと良い。足りない備品があれば、寮長に頼めば直ぐに手配してくれる」 ミノリの方を見ずに、アズマが呟く。 最初は自分に向けて言われたことに気付かなかったくらいだ。 無愛想な物言いだが、アズマの助言はありがたかった。 「ありがとう。相談してみるね」 返事はなかったが、アズマはそっと微笑んだ。 「あら? あなたが転校生さん?」 振り向くと、美しい栗色の髪の少女が立っていた。 隣、失礼するわね、とウェーブがかった髪を揺らしながら着席した。 「スマ! 遅かったじゃない」 「日課のね、朝の散歩が長引いてしまったの」 ミノリはトーストをかじりながら、横に座ったスマをチラチラと盗み見る。 こちらから自己紹介した方が良いかな、でも、どのタイミングで話しかけようかな。 ミノリの緊張が伝わったのか、スマがふいにミノリの方を見た。 「自己紹介が遅れてごめんなさいね。スマです、よろしくね」 「あ、ミノリです。こちらこそ、よろしく」 思わずミノリはお辞儀をしてしまったのだった。
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