第一章

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「……ミノリ、ミノリ。風邪引くわよ、起きて」 いつの間にか寝てしまっていたようだ。 ミノリはスマのベッドに横たわっており、部屋に帰って来たスマに体を揺さぶられた。 「……ごめんなさい!」 人のベッドで寝るなんて! 寝ぼけた頭が状況を理解すると、直ぐにミノリは謝った。 「構わないわ、気にしないで。それより、部屋に帰って眠る?」 「大丈夫……一人になると色々考えてしまうから、できれば一緒にいても良いかな?」 髪を手櫛で整えながら、ミノリは小さな声で答えた。 何も会話はなくてもいい。ただ誰かに側にいて欲しかった。 「良いわよ、勿論。じゃあ、行きましょうか」
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