第一章

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沈黙と少しの会話を繰り返し、ミノリは軽食を綺麗に平らげたのだった。 用意はスマがしてくれたので、片付けは私がする、とミノリは申し出た。 紅茶が入っていた水筒やティーカップの洗い物をするために、ミノリは一階の談話室横に来ていた。 冷たい水道水に手の感覚が失われていく。カップを持つ手に力が入らない。 談話室にはポツポツと人がいた。 扉が少し空いているのか、話し声が漏れている。 「……え!? ミオの死体の第一発見者なの!?」 聞こえてきた内容に思わずカップを落としそうになった。 ミノリは洗い物も途中に、談話室へと足音を立てないように近付いた。 中では女子数人が顔を付き合わせている。 青い顔をした女生徒が、第一発見者のようだ。 「……部活の朝練に行く途中、中庭で倒れてるのを見付けたの」 「一人で?」 「うん。今日は準備係で早く寮を出たから……」 中庭で倒れている生徒がおり、心配で近寄るとミオが仰向けで倒れていたそうだ。……状況からみて転落したのだと思う、と憶測を交えて彼女は話した。 そして、朝見た映像を思い出したのか女生徒は頭を振った。 「事故だったのかな……」 「でも、死んじゃうくらいの高さって……屋上とか?」 「見つかったのが早朝ってことは、夜に屋上に行ったってこと? それって……」 自殺なんじゃ……。 誰かの呟きを最後に、シンと談話室は静まり返った。 「……でも死ぬ理由、なさそうじゃない?」 ミノリも思っていたことだった。 ミオが死んだ、と聞いて一番に浮かんだのは事故死だった。 誰かに恨みを買うような人でもないし、ましてや自殺なんて……。 冷気が足から這い上がってきて、ミノリは体を震わせた。
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