第一章

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「……なんで、自殺だってことになってるのかな」 ポツリと呟いたミノリの言葉に、タカユキが反応した。 「……確かに、ミオは危うい所があったかも知れない」 噂を肯定するような発言に、ミノリは驚いた。 ミノリが思うミオは、危うさの欠片も持っていなかった。 むしろ、挫けそうなミノリに手を差し伸べてくれる強さをもつ少女だった。 けれど。 ミオが死ぬ訳がない。その理由を、ミノリはブレザーのポケットに忍ばせていた。 「……なにかあったんだとしてもクリスマスのミサまでは、ミオちゃんは自殺する訳がない、と、思う」 「どうして?」 自信がなくなり、ミノリは途中で小さな声でモゴモゴさせた。 間髪入れずにスマに問われ、ミノリは視線を上げることができずに縮こまった。 「昨日、ミオちゃんの書いたメモを見つけたの……内容は、ミオちゃんのプライベートに関わるものだから、詳しく言えないけど……クリスマスミサをとても楽しみにしてるってあったから、だから……」 だから、だから……と三人からの視線に耐えきれず、とうとうミノリは涙を溢した。 しかし、このまま泣いていても状況は変わらない。ミオに対する不名誉な噂を晴らしたいのなら、自分で道を切り開かなければ。 「だから。私は、どうしてミオちゃんが死んだのか調べようと思う」
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