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なにも知らないのだ。
いなくなってから気づくなんて……自分の馬鹿さが嫌になる。
「確かに、スマちゃんの言う通りかも……ううん、だと思う。
でも、分からないから……ミオちゃんがどんな人かも知らない。だから最期がどうだったか、だけでも知りたいの」
上手く言えないけど……とミノリは口ごもった。
「僕も、ミノリの提案にのりたいと思う」
助け船を出したのはタカユキだった。
ミノリはこの提案をしてタカユキに怒られるのではないか、と密かに思っていた。
詳しくは知らないが、ミオとタカユキは親密な関係に見えたから。
いたずらに暴こうとするな、と責められるかと思っていたのだ。
「事故なのか……そうじゃないのかは分からない。でも、僕はミオの死の意味を知りたいんだ」
虚空を見つめるタカユキの目には、何が見えているのだろうか。
目線の先では、十字架像がステンドグラス越しに光に照らされていた。
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