贈り物は。

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贈り物は。

「あんた、何言っとんだ。寛永生まれはあの若造の方に決まっとろうが」  若造が江戸時代生まれだと?呆けにも程がある、と思った羽生は、これ以上身元確認をしても無駄だと思った。  それでも、犯罪がらみの可能性は否定できない。  そこで羽生は、当初から気になっている、その人物が手にしている物について聞くことにした。 「分かりました。では、その手にしている箱はなんでしょう」 「ん?ああ、これか。これは宴会から帰る時にもらったんだが」 「宴会場でプレゼントされたってことですね」 「ぷれぜんと?そんな名前じゃないわい。これは、なんて言ってたかの・・・」  そう言って、その人物はその箱を机の上に置いて言った。 「思い出したわい。これは確か、玉手箱って言っとったな」  今も尚、その宴会場では、古今東西多くの人物が宴会に招かれている。
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