第1話:この指とまれ

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「5分が経過しました。ドアをロックします。ホールに集まっていない人たちを公開処刑とします」 ーーパチ。 突然電気が付けられて、目の前に大きなモニターが現れる。 そこには部屋から出なかった人々を映し出していた。 部屋の中できょろきょろとしている人、ドアを必死に開けようとしている人たちがいる中、突然大きなホースのようなものが現れ、白い粉状の空気を噴射した。 もくもくと白い煙が画面を覆う。 そしてその霧が晴れると、血を吐く人や、眼球から血を流している人たちが横たわっていた。 『うぐ、う……ぁ』 な、なんだよこれ……。 手が震えだし、ただ呆然とモニターを見つめる。 すると誰かがつぶやく。 「猛毒だ!」 みるみるうちに部屋を多い、ばたばたと人が倒れていく。 苦しそうに息をしながら血を流す様子は無残で声も出なかった。
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